2014年11月23日日曜日

「弁当の日」講演会を弘前でも!

十和田市の用件というのは、上十三歯科医師会主催の地域歯科フォーラムの講演会の講師が「弁当の日」をはじめた竹下和男先生だというので、初冬の八甲田を越えてきたのでした。
200人を予定していた会場はほぼ満席で、先生に引率された小学生やその年代を子育て中に見えるママさんたちも多く、 今回の講演を企画するだけでなく次の成功まで見すえた働きかけをした歯科医師会には頭の下がる思いでした。

はじめてお目にかかった竹下先生は、思っていたのとは違って堅そうな雰囲気で、いきなり今度は映画化もされるという「はなちゃんのみそ汁」の話から入ったので、安武さんはご自身のことを語らず「弁当の日」のことだけ話したのと違うという違和感を覚えましたが、それは子どもの成長にとって味覚や家事を手伝うこと、そしてほめられることの大切さを知ってもらうためだとわかり、反省しながら正しい育てられ方をしていない世代が次々と虐待や育児放棄を起こしてしまう社会を変えるために、一人でも多くの人に講演を聴いてほしいと思って飛び回っているという先生の話に聴き入りました。
前半の暗い社会の現実や難しい脳の発達の話から打って変わって、後半は2001年にはじめて「弁当の日」に取り組んだ滝宮小学校の様子を中心に、これを実施するとどんなことが起きるのかをスライドで見てわかるように伝えてくれました。
最初は米をとぐくらいでも自慢できていたのが、2回目には全部つくったことが自慢になり、その次には巻き寿司弁当を作ってきた子まで出るといういい意味での競争、それを縦割り班で食べるので下級生がうらやましそうにのぞきこんでいる写真、のぞきこんでいた子がのぞきこまれる方になって笑顔で写っているのが4周期している継続、その陰では子どもたちが料理の質問をするようになって本気で台所に立つようになったママさんたちの振り返り、子どもたちが取り組むことで親も地域も変わるというすばらしいストーリーが展開されてきたことを知り、それを伝える講演を聴いてすぐに入院中のお父さんとお祖母さんに弁当を作った子のエピソードなど、涙があふれてくる話ばかりでした。

ところで、竹下先生は滝宮小学区に住んでいて、校長一人の責任で実施を決めたものの、指を落としたとか出火してしまったといった事故が起きたら住んでいられなくなるので行方不明になろうという覚悟で臨んだそうですが、この14年間で1400校の実践となって一度も事故の報告はないのだそうで、その解決策は見つからないけれどもまずはやってみることだと話していました。
対象とするのは小学生がいいのだそうですが、すでに末の坊主も中3の私には小学校に直接働きかけて責任を持って動かす立場にないだけに、そういう気持ちで動いてくれる先生やPTAのリーダーを見つけるために、ぜひ竹下先生の講演会を弘前市で実現させたいと思います。
この件は、弘大生協も2年前に先生を招いてのシンポジウムを開催していますし、市内での「弁当の日」実現に意欲を持っていますので、きっと形にできると信じています。

弘前での「弁当の日」、その第一歩として竹下和男先生の講演会、皆さんも聴いてみたいと思いませんか?

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